歯周病の基礎知識

歯周病の原因は様々なものがあります。

まず原因の1つに「食べカス」についてです。アメリカのデータによると、栄養のあまりない固いお肉と、柔らかくて栄養豊富なお肉を食べた場合、柔らかくて栄養のあるお肉を食べた方が、歯周病にかかりやすいという結果が出たそうです。これは、噛むという行為が、歯にとってとても大事だということを示しています。

噛むという行為は、歯のまわりの組織を丈夫にし、固いものを噛めば、歯のまわりの汚れをも一緒に取り去る自浄作用を生むことになります。逆に、柔らかいものだと、あまり噛まずに飲みこみますから、歯と歯の間に食べカスがたまりやすいのです。また金冠や陶材のクラウンなどを歯にかぶせたり、入れ歯をしたり、歯肉の形態がデコボコしていたり、歯と歯肉の境目がくぼんでいたりしても食べカスがたまりやすい状態になります。そして、その食べカスには栄養分がたっぷり含まれていますから、細菌の栄養源になります。歯の周囲に付着する細菌性の歯垢や歯石が、歯肉と歯の根の間の、いわゆるポケットの中に侵入していって、その中で繁殖をくりかえすことによって、歯周病を進行させていきます。

次に血液疾患、高血圧、糖尿病などの全身性疾患が歯周病の原因にもなることがあります。また、ストレスなどの精神的なものや、ホルモンのバランス、服用している薬、あるいはアレルギーやビタミン欠乏などもこの因子とみられます。全身性の疾患にかかりますと、抵抗力がまず弱まって、炎症とか外傷とかを起こしやすくなります。